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鳴り続ける電話を握りしめて、女の死体を一瞥した。
この死体をどうにかしなければならない。
捨てる?それとも埋めるのか?
何処に?何処がいい?
そこで、俺はあの桜を思い出した。
女が好きだと言った枯れ木の桜を………。
女の死体を毛布に包み、車のトランクにシャベルと軍手も積み込み車を走らせた。
そして現在に至るのである。
「………こんなものか。」
1メートル50センチほどは掘れただろうか。
秋深くなった頃といえど、この深さを掘って汗だくになっていた。
なんとか地上に這い出て、穴と女を見下ろす。
「この木が好きだって言ってたもんなぁ?ずっと近くにいれて嬉しいだろ?」
そう言って、俺は女を穴に落として埋めた。
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