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桜の木の下には死体が埋まっているーーー
その言葉を思い出して、俺はフッと笑った。
よく聞くフレーズだが、今まさにそれが現実になろうとしている。
桜の木の横で穴を堀り続けていたのを止めて、穴のそばで横たわっている"モノ"をチラッと見た。
瞬間、風が吹いてそれを包んでいる毛布がふわりと舞う。
ーーー目が合った。
そこにあったのは光のない淀んだ2つの目。
俺が殺してしまった女の目だ。
そう、殺した………
だから生きていない。
なのに目が合った、気がした。
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