月の鏡

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シィ……ン…。 そんな音がすると思うほどの静寂が降りる。 「やっぱり…迷信か…」 私はそう思いながら、帰るために振り返って…、 「ん……?」 歩き出せなかった。 「おねぇちゃん、どーしたのー?」 そこに、白い髪の幼い少女がいたからだ。 「え?…ええ?」 見るとそこは、私がいた場所ではなかった。 私がいた場所から見える町の光がない。 「どーしておねぇちゃん、こんなとこにいるの?」 「あのさ、質問していい?」 「?いいよー、なんでもきいてー」 「ここ、どこ?」 「ここ?ここはねー」 ――あの世とこの世の狭間だよー。 どうやら私は、そんな場所に迷いこんでしまったらしい。
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