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#04
会社に到着しても、バイブを抜かれることはなかった。
自分の席で居心地悪く座っていると、右側からイヤな視線を感じる。
見ない方がいいな、と思いつつも、成瀬は気になって横目で様子を窺った。
「なるちゃん、どないしたん? なんか……へんやでぇ?」
案の定、構いたがりの難波が心配そうな表情でこちらをみている。
分かってはいたが、面倒なことになりそうだから本当は無視したい。
「なにがですか。俺はいつも通り、ですよ」
「どこがやのん? それ、そのコーヒー。……混ぜてるのスプーンやないで?」
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