経済的モラハラ

6/10
前へ
/10ページ
次へ
不機嫌な顔を見ると話したくなくなるから。 でも、やっぱりいいやなんて言ったら。 お前が話しかけたのになんだその態度は! と昨日はケンカをふっかけられた。 なにかがおかしい。 いつも私が悪いことにされている。 俺がテレビを見てるのに話しかけて邪魔するヤツ。 話しかけておいてやっぱりいい、とか…じゃあ話しかけるんじゃねえよ! 私は顔色を見ないで話したいだけなのに。 些細な事に大げさに怒らないて欲しいのに。 だんだん話すのが億劫になってきている自分を感じながら、渋々話しかけた。 「あのね、今日仕事を探しに行ったんだけど。」 「ふーん」 横を向きながら見ていたテレビから目を離さず相づちだけうたれた。 「駅前にある喫茶店がアルバイト募集してたから行くことにしたよ」 「え?」こっちをめんどくさそうに見ながらハーッとため息をつかれた。 「なんで決めちゃうわけ? 相談もないの?」 途端に不機嫌になる。 「雰囲気も良かったし、いいかと思って…」 と最後は言い訳みたいになった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加