モラオットとツマの私

経済的モラハラ

昔ながらの喫茶店だなあ、とまた思う。

こじんまりした店内に小さめのテーブルに年代物のソファーが並んでいるのはなんだか落ち着く。
セピア色の壁にはバラや紫陽花などの植物の写真の入ったフレームが飾ってある。

雨粒のついたブルーの紫陽花がとても綺麗で見入っていると

「ミチオさんが撮ったんだよね。」と午前組のサチコさんが教えてくれた。
午前組というのは私がこっそり呼んでいるんだけど午前中に来てくれる悠々自適の人達の事。

あとはランチ組と午後組かな。

ミチオさんも午前中の組の人で、よく一人で来る。
文庫本を持ってきてコーヒーを飲みながら読んでいたり、写真集をただ眺めていることもある。

常連さん達は午前中は悠々自適の人が多くて50代後半から60代の人ばかりだ。
ミチオさんもその一人だけど、他の人達はコーヒーを飲みながら話に花を咲かせている横で一人で佇んでいるのだった。