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まだ着慣れていない新品の制服に身を包んでいる女子高生。
その女子高生は制服同様、新品の鞄を片手に “天楼高等学校 入学式” と書かれている看板の前を通過しかけたとき…。
「ほら、マオ!早くそこに立ちなさい!」
「え……?」
「だ・か・ら!そこの看板の横に早く立ちなさい!写真が撮れないでしょ!?」
そこまで苑が言って、ようやく女子高生───もといマオは気が付いた。
──ああ、苑は入学式の記念写真が撮りたいんだな。
と。
ちなみに苑とはマオの母親である。
仕方なさそうに、看板の横に立つマオ。そこに父親であるアンジが合流し、両親が写真を撮りはじめた。
写真を撮りはじめてから数分後…
「もう、写真はいいでしょ?大分撮ってるよね」
とマオは苑に声をかけた。
すると苑は…
「あともう5枚だけ!!」
「多いわ!!」
さすがに自由気まますぎる母親に対して思わずツッコミをしてしまったマオ。
そしてそのまま次の言葉を続ける。
「それに…。後ろにすごく人が並んでるよ…?」
苑の後ろを左手で指をさしながら言うと、本当だ。気がつかなかった。と、言いながら苑は携帯をしまい始めた。
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