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ぱたりと落ちた腕に合わせて頭の重さに耐えられず体が仰向けて倒れる。
ゴトリと打ち付ける音が鳴る……なのに痛みに呻くよりも急激に襲い迫った吐き気に片手で口を被い、全身を抱え込むように体を折り曲げ縮籠める。
「うぐっ!」
横向き、塞いだ指の間からすえた異臭を放つ未消化物が飛び出す。
「は、あっ、ごぼっ!……げえぇぇぇぇっ!!」
腹を押さえ、込み上げてくる異物感に悶えて踞り防いでも吐き出さずには要られない物を床に撒き散らした。
ガタガタと震え、全身をヒクつかせて蠢き、目眩を起こし始める。
息つく暇もないほど這い上がる不快感を伴い、肘つく腕でジリジリと方向転換を試みて男を見遣る。
這いずる私の姿に男は愉悦な視線を向けていた。
「いいねぇ~素敵な姿だ」
「ど、げほっ!げほっ、ぉげぇぇぇっ!」
ビシャッ!と異物の混ざらない黄緑色の体液だけを吐き出し続け苦しむ私を眺めてニンマリと笑む男を、私は涙を溢しながら睨み付ける。
「……はあ……どこがよ!いったぃ……うっ、あ、いあ、ああああああああーーーっっ!!」
怒りを曝し、噛み付こうとした直後、今度は腹部に激痛が走った。
痛みに叫び、床に転がりだした私は体を抱き竦めて痙攣する。
「ほら、もう直ぐだ」
男は頬杖を着いてニヤつく。
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