第1章 花粉症とハルマゲドン

3/5
前へ
/5ページ
次へ
どうだろうか、花粉症を退治するのに 人類絶滅は必須項目だろうか。 そこまでして、花粉症を撃退する必要が あるのだろうか? 人類が絶滅してしまっては、愚行の 極みでしかない。 ひょっとしたら、人類が絶滅しても 花粉症だけは生き残るのかも知れない。 そう思考すると何と悔しい事か、 人類が花粉症如きに負けてしまうのだ。 花粉症撲滅の為に、核ミサイル発射ボタン を押す。ハルマゲドン万歳! しかし、何と愚かな事を。思わず口角が 上がる僕は想像する、人類が絶滅したら 僕達の意識は何処に行ってしまうのか。 何処か遠い惑星に移住するとしたら、 地球から1300光年離れたオリオン星 かも知れない。 1光年とは光の速さで一秒間に34万キロ 進む速さ、それが一年かけて到達する。 地球から1光年先の惑星まで およそ9兆キロメートル。 地球で最も速いロケットは一時間に 4万キロメートル進む、秒速に直すと 10キロメートル進む計算になる。 このロケットで1光年先の惑星までは、 片道だけで10万年は掛かってしまう。 それが1300光年のかなたと考えると、 途方も無い天文学的距離となってしまう。 思わず僕は、天井を見上げてしまう。 オリオン星に行く事は出来ないけれども、 眺める事は出来るのだ。 他の惑星に生命体がいようがいまいが そんな事はくだらないことだ、広大な 宇宙に神を感じる。 それだけでいいのだ、それだけで。 破壊と創造、人間も神も同じだ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加