はい!

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はい!

「皆さん、お騒がせしましたー!」  金と銀のカップルが、笑顔で声を揃えた。 「ネット動画クリエーターユニット、ゴールド&シルバーです!」  シルバーが、メニュー立ての中から、畳んだ紙を広げて見せた。『大成功』と書いてあった。  ブレザーの彼が、ゴールドから手を離した。  優子が、質問をした。 「あ、ひょっとして、昔の『ドッキリカメラ』みたいなやつ? 芝居して、驚かせて、それを隠しカメラで撮影するの。それを、今風に、動画配信?」  ゴールドが、金のナイフの先を指で押すと、ピョコンと引っ込んだ。 「あ、そんな感じです。これは、おもちゃでーす」 「なんだ、ビックリした。お店もグル? 店の宣伝も兼ねているとか?」  店のスタッフも笑っている。 「動画に、ご協力いただけましたら、ご注文の商品の代金はいただいておりません」 「あら、ま。私はいいけど?」  優子はブレザーの子の方を見た。 「僕も、いいですよ」  全員が、ミニスカ彼女を見た。彼女は、ブレザーの子を見て、一番の媚びた表情を作りかけたが、彼が笑顔を見せなかったので、そのまま出て行った。  ブレザーの子は、優子の方に手を差し出しながら、言った。 「僕、大輔と言います」  優子と大輔は、握手した。 「私は、優子。よろしくね」 「優子さん、そちらの席に移ってもいいですか?」 「ああ、まあ、どうぞ。動画は、もう終わりな感じ?」  ゴールドが言った。 「お二人のは、終わりですが、また、新たなお客さんが入ってくると・・・」  優子が後をとった。 「また、同じようなことをするわけ?」  シルバーが、ニッコリ頷いた。 「それは、面白そう。しらんフリして見てていい?」 「ええ、もちろん」
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