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あれは修学旅行の時だった。
貧乏だった俺は、鹿せんべいを買う金もなかった。
芝生を埋め尽くすチョコボールをかき分けて、数歩進んだ時だった。
誰かに引き止められた。
阿呆な友人だと思い、ヘッドロックをかけようとしたら。
驚くほど体格のいい鹿が俺の制服をかじっていた。
煮染まった匂いのする制服が、鹿にはご馳走に思えたのかもしれない。
夜空様夜空様。
俺に爽やかな青春時代の記憶を下さい。
嘘の記憶でも構いません。
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