一緒に居たいから

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『始まったか』 結衣の顔だけ見て「ただいま」の声もかけず静かに作業場のドアを閉めた 次の日の朝も、夜見た時と変わらない姿勢で 机の上に向かって一心不乱に筆を動かしている テーブルの上に食べ物と手紙を置いて仕事に出かけた 次の日も こもりっぱなし 『やり始めたらこんなもんなのか』 そんな日が3日間続いて 4日目の朝 リビングのソファーの下に死体の様に伸びきった結衣を発見した ソファーから転げ落ちたというよりは 多分疲れ過ぎてソファーまで辿り着けなかったというのが正解だろう 無理だと分かりつつ「結衣ちゃん」声をかけてみた。案の定ビクともしない 「hu・・・」 死体のような結衣を抱き上げベッドに運んだ
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