第4章 小姓とは

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ダダダダっと物凄い地鳴りがしたと思えば、 どーんと障子が吹き飛ぶ。 一つ言わせていただきたい、障子が吹き飛ぶなんて人間技じゃない。 そして吹き飛んだ障子の後から現れたのは、 黒いオーラを漂わせた鬼の副長否土方歳三と、みのりだった。 「「総司(沖田さん)~!」」 そう叫ぶとジリジリと総司に近付いてくる。 総司はテヘッと笑って、なんですか~?と問う。 周りの隊士は怯えきってしまい、 近藤、井上、山南は巻き込まれまいとお膳を持って退散する。 土方と総司は対峙し、みのりは平隊士のほうへ近寄る。 笑顔を貼り付けて、平隊士の1人に、 「あの、沖田…さんから余計な事、聞いてないですよね?」 と、尋ねる。 もちろん目は完全に笑っていない。 隊士は、沖田の事を言えば沖田に殺られると思ったが、 眼前の恐怖の塊にも逆らってはいけない、と確信した。 「ヒッ…原田さんと…副長が…部屋でタノシイk(ダンっ)」 泣く泣く隊士が後ろの壁を見ると、拳の形にまあるくへこんでいた。 「ああすいません。手が滑ってしまいました。」 ニコニコしながら、手をさするみのり。 痛かった事は痛かったらしい。
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