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隊士はそのまま顔を真っ青にして、腰を抜かしてしまった。
みのりは確かな証言を得て、くるっと土方の方を向く。
2人の心の中は一つになっていた。
(裏は取れた。あとはどうこいつらから記憶を抹消するかだ。)
数時間後、広間は大惨事となっていた。
隊士たちはボコボコにされ、広間中に転がる。
意識はある幹部たちの顔にも痣があった。
しかし、当人の総司は無事逃げ切り、無傷だった。
ゾンビみたいな顔で町を巡察する隊士達に住民から悲鳴が上がっていたのは言うまでもない。
一方スッキリした土方とみのりは、騒ぎの後土方の部屋に戻っていた。
「そんじゃあ今から仕事の説明をする。」
土方はみのりの方に体を向け直して片膝を立てる。
「おめえには俺の使いや、簡単な書類整理、後は…今は女中がいねえから、家事を手伝って欲しい。」
「家事…ですか?一応、食事は当番制と聞きました。」
「おう、後は洗濯とか掃除とかなんだけどよ。誰もしようとしねえから、源さんが1人で空いた時にやってんだ。」
「あぁ、確かに昨晩も井上さん忙しそうにしてましたもんね。」
「なんせ今浪士組は金がねえから、手伝い1人も雇う余裕がねんだ。皆田舎上がりだから家事もできねえし。」
「構いませんよ。もとより井上さんのお仕事は手伝うつもりでいました。」
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