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「そんじゃあ今から、裏庭の掃除やって来てくれねえか?終わったらまた戻ってきてくれたらいい。」
「了解しました。」
みのりはそう言うと土方に背を向け、裏庭へと足を進めた。
やっぱり小姓の仕事って面倒くさいなあ。剣道生かして隊士やるって言ったほうがよかった?
……いや、人を斬るのは話が別。我慢強くやるかあ。
みのりは人知れず溜息をつくと、箒を手に取り掃除を始めた。
あ。
そう言えばお風呂…。
この時代のはどーなってるんだろ?
厠はどうにかなったけど…
てゆーか、女の子の日とかどうしたらいいんだ。
流れで身内頼っちゃったけど、これはこれでやばくない?
なんかもっと普通のお店で雇ってもらって、働きながら戻り方探した方がいいかも…。
でも折角皆良くしてくれてるし…。
……男だと思われてるけど。
どうするかなあ、
「クスクス」
笑い声が聞こえてきて、パッと振り向くと愛次郎が体をプルプル震わせながら笑っていた。
みのりは訝しげにじっと愛次郎を睨むが、なかなか笑いは収まらない。
それにだんだんイラついてきたみのりは、脳天に拳骨を食らわせた。
「いっ、た~(泣)」
「愛次郎、何笑ってんの。」
愛次郎は涙目で拳骨された部分を摩る。
(あ、これたんこぶになる、絶対。)
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