29人が本棚に入れています
本棚に追加
「……でもまあ、また道場に顔出すよ。」
みのりはそう言って、笑みを浮かべた。
現世では毎日竹刀を振っていたみのり。
正直剣道をしたくてたまらないのだ。
斬る斬られるの問題で、隊士がしたくないのであって、
稽古は死ぬ程参加したいのだ。
それを聞いた愛次郎はとても嬉しそうだ。
「あ、じゃあもう僕はいくね。また後で。」
お互いに手を振って、愛次郎はその場を後にした。
なんだかんだ、手を動かしながら喋っていたみのりは、ほとんど掃除を終わらせていた。
「あとはこれを捨てたら終わりか…。」
今が卯月で良かった。
秋だったら落ち葉とか酷いだろうな、、
そう思いながらゴミを片付け、
土方の部屋に戻った。
ーーーーーーーーーー
「意外と早かったな…。」
部屋に戻って土方に言われた一言目はこれだった。
みのりはあからさまに拗ねて、
「失礼ですね、そんなにのろまに見えますか?」
「のろまっつーか、上手くサボってそうだ。」
「まあサボるのは得意ですけど…。流石に今回は真面目にしましたよ。」
「おいおい…。んまあありがとな、次は…」
なんかあったか、と考えるが、
「ねえな。適当に時間潰せ、また声かけるからよ。」
最初のコメントを投稿しよう!