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「ったく……。バカだよなぁ俺。ごめんなぁ。お前を不安にさせて。」
「ううん。ちゃんと理由分かったからもう良いよ。それより、大丈夫?花粉症は?」
全てを打ち明けた私に対して山川が言うにはこうだった。
私達が誰もいないオフィスにてキスをして間もなく山川はある日突然に花粉症になったと言うのだ。
人生初だと言う。
「漸くお前と気持ちが通じ合ったっていうのに、俺だってどれだけお前にキスしたかったか。おまけにお前さ、ここのところ急に綺麗になってくし自覚ある?唇だってぷっくりしてて可愛くて……お前を見る度にキスしてぇってどれだけ我慢してたか。」
「本当に?」
なんだ、綺麗になぁれ大作戦効果あったんだぁ。
「それにーーーキスだけじゃなくてそれ以上のことだって考えてた。そりゃぁ、俺も男だし。日に日に綺麗になってくお前を他のやつにとられるんじゃないかって。だから一刻も早くお前の全てを俺のものにしたいって。」
「山川…」
「だけど何をするにも鼻は垂れるわ、くしゃみは出るわでこんな風に一度もなったことねえからキスするにもどうしたら良いのか分かんなくて。」
「どうしたらって?」
「そりゃあ、お前さぁ。キスしてる途中で鼻でも垂らしてみろよ。俺への気持ちなんて一瞬で冷めちゃうだろ?それにずっと鼻詰まった状態でいつ、息すりゃいいんだよ?」
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