願いの代償

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願いの代償

「……え? 嘘ですよね!?」 「いやぁ。これは間違いないですね、男の子です」  白衣の女医は、腹部のエコー画面を見ながらそう言い切った。  ここは産婦人科の診察室。真っ白な壁に、真っ白な天井、そして私の頭の中も真っ白に染まった。 「そんな……産み分けの本通り、食事は酸性中心にしてたのに!」  男の子が欲しいのなら、野菜などのアルカリ性食品を、女の子が欲しいのなら肉などの酸性食品を食べ、体内のPHを調整すれば産み分けが出来るかもしれないという一縷の希望に掛けていたのに。  ちなみに男性側はこの逆で、女の子が欲しいのならアルカリ性食品を摂取する。  本来ベジタリアンのこの私が、この1年近く必死に肉ばかりを食べてきた意味は……? 「まぁまぁ。男の子だって可愛いでしょ?」 「可愛いですよ……可愛いですけど! 先生だって知ってますよね? うちにはもう2人も男の子がいるんです! 今度こそ女の子が欲しかったんです……」 「4人目に期待しましょう」 「……他人事だと思ってますよね」 「ははは。とにかく順調ですよ、今は安産を願いましょう」  それはそうだ。     
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