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――そして、奇跡は起きた。
3ヶ月後、この世に生を受けた我が子はなんと女の子だった。
これには診察してくれていた担当医師も、かなり驚いていた。だって、エコーにはハッキリと男の子である証が映っていたのだから。
私はそれはもう喜んだ。
今まで見ているだけで買う事が出来なかった可愛らしい服を、まるで生きた着せ替え人形を得たかのようにいくつも着せた。
だが、娘が2歳を過ぎ、言葉を話すようになった頃、一人称がおかしな事になっていた。
自分の事を“わたし”ではなく、“ぼく”と呼ぶのだ。
上にお兄ちゃんが2人もいるからよ。と、仲の良いママ友は笑った。私もこの頃は、そうかもしれないとあまり気にしていなかった。
娘は幼稚園の制服を着るのを嫌がった。
スカートじゃなくてズボンが履きたいと言ってなかなか着替えてくれなくて、よく困らされたものだ。
この頃から私が購入した女の子らしい服は拒否するようにもなった。
夫は、兄弟のお下がりが使えるんだしラッキーじゃないか、と笑ったが、私は内心残念で仕方がなかった。
性格も言葉遣いも、興味を持つ遊びや、テレビ番組まで周りの女の子とは明らかに違っていた。
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