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「でさ、恵に頼みたいことがあるんだけど」
「何?」
「私が岡崎くんに手紙書くから、恵がそれを岡崎くんに渡してくれないかな?」
「……は?」
思わず自分の耳を疑った。
良子は、好きな人への告白さえも、私に手伝えって言うの?
しかも自分の好きな人に、他の人からの手紙を渡すだなんて。
そんなの、そんなのっ。
絶対に嫌だっ!
どう答えようかと考えているときに予鈴が鳴り、私は密かに安堵する。
「ほ、ほら良子、授業始まっちゃうよ。行こっ」
私はまた嫌だという気持ちを押し殺しては、良子の手を取ってトイレを出ようと促す。
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