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「あ、岡崎くん」
「よう。お前らも今日は学食? よかったら一緒に食わねえ?」
「いいの? ありがとう!」
「……」
注文の列に並んでいるときに後ろから声をかけられ、聞き覚えのあるその声に勝手に表情が緩む。
岡崎くんは今日は一人でご飯らしい。
あーあ。私も一人で来てたら岡崎くんと二人だけで一緒に食べれたのに。
まあ、しょうがないけどさ。でもこんな機会なかなかないからちょっと残念。
「あ、ごめん恵。私、先生に用事頼まれてたのすっかり忘れてた!」
「え、良子?」
「私は後で購買で適当に何か買うから、恵は岡崎くんと食べてていいよ。じゃ、また後でね」
「ちょっ、良子! ……行っちゃった」
「あ、ほら、順番来たぜ」
「う、うん」
私はそう言って手を離して早足で学食を出ていった良子の背中を見つめては、岡崎くんの声にハッとして慌てて親子丼を頼む。
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