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戦が終わり荒野に夥しい数の死体が転がっていた。
天上に昇った満月が、その惨たらしい光景を照らす。
荒野の所々から、見捨てられ虫の息の敗残兵の呻き声が聞こえる。
呻き声を上げていた兵士の１人がフト顔を上げ、月を見上げて問う。
「月よ！ お前は太古の昔から、人間同士が争う愚かな戦を見てきたのだろう？
学と言う事を知らぬ我らを笑ってくれ、頼む！
愚かな人間を嘲笑ってくれ。
このように。
ハハハハハハハハ、ハ、ハ、ハ……………………」
荒野に一頻り笑い声が響いたあと静寂が戻り、微かに死に行く者の呻き声が聞こえるだけになった。
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