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「人は誰しも失敗はある、今回は初めて肩書きまで付けられて行った一大プロジェクト、成功したのに今更そんな話を」
「だから、思い出話くらいに思えばいいじゃないか」
「しかし」
「見ろ、折角楽しんでいた仲間達が白けてる、そんなだから、狂暴な上司って言われるんだぞ?」
振り返った遠藤の視線の先。
三人の部下達は何処か怯えるように俺を見つめてて、俺の怒りの矛先を向けられていたもう一人の部下も、とても複雑そうな表情をしていた。
自分でもよく分かっている。
沸点が低いのだろう、小さな事ですぐに頭に血が上り、手を出そうとしてしまう。
昔は当たり前の光景だったはずだ。
上司は部下を説得するように罵倒して手を上げる。
しかし今ではパワハラだセクハラだと大問題になる。
俺には昔、青アザができる程に手を挙げていた上司も、今ではすっかり丸くなって、鬼上司なんてあだ名を知る人間も数える程になっていた。
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