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「何だ? 嫁のドッキリか!? 隠れてないで出て来いよ!」
そんな瞳の男を置いておき、家中の扉を開け回った。
けれど何処も綺麗に掃除されたいつもの部屋。
「何探してるの?」
何処にも嫁の姿も、勿論子供の姿も無かった。あるのは、この謎の男だけ。
「お前、何なんだよ、人の家に勝手に入って好き勝手やりやがって」
「え? じゃああなたは好き勝手やらなかったの?」
何の疑いも無い、ただ純粋な質問だと言わんばかりの瞳が、また俺を覗き込む。
一体何だってんだ。
「ねぇ、なにか願いがあるんじゃないの?」
「願い?」
「そう、後悔、してるでしょ? さぁ、言って」
「何言ってんだよ」
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