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「今朝、あなたは頑張った部下達を労おうと画策した。如何にお礼を伝えられるか、如何にストレス発散させられるか、だからこそ選んだ賑やかな居酒屋だったのだろう?」
どこぞやの教師の様に、語る男。
そこには無いはずなのに、まるで黒板を見せつけるように俺を差していた指で空間を叩く。
いやまず……何故それを知っている?
「結果どうだった? あなたのせいで台無しだ」
「それは」
「美奈ちゃん、世界で一番好きだったんじゃないの?」
唐突に変えられた話題に、質問の意図も汲めず、黙って男を見つめた。
最早そこにメガネと黒板がある様にバンッと空間を叩く。
「どんなに大変でも、泣かせたりしないって誓ったんじゃないの!?」
「なっ!?」
「どうしても辛くなったり、大変になったら、一緒に夜空見ようねって、約束してたんじゃないの?」
「何故それを……知ってるんだ!!」
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