一人じゃない。

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ハーバートはひたすら走りまくり、せなは物理学の観点から彼の走りを分析し、アドバイスを続けた。 そんなある夜。 いつものように二人が走りに取り組んでいると、 「ジーパンで走ってちゃスピード出ないだろう。」 と、坪井信吾が出てきた。 「これ使え。」 と、信吾は陸上用のユニフォームをハーバートにさしだした。 彼は古着屋の二代目である。着るものについてはなんでも来いなのである。 ハーバートはジーパンで走っていたのだ。 「最高級のストップウォッチもあるよ。」 金森大輔がストップウォッチを持ってあらわれた。彼は金持ちのボンボンで、最高級のストップウォッチを調達するくらい訳もないのだ。 「ええと、あたしは…」 といって綾火が出たきた。 ハーバートは、 「お前は、ゴールで後ろ向いて立っててくれ。」 と頼んだ。 「なんで?」 と綾火が聞き返すと、ハーバートはこたえた。 「おまえのケツを見ると、燃えるんだ、俺…」 途端に綾火のハイキックがハーバートに炸裂した。
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