第1章

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ROUND UP 世の中は卑しい心で満ち溢れている。 世の中は貧しい心で満ち溢れている。 元凶を一掃して無に還さなければこの状況は悪くなる一方だろう。 美しいモノだけの世界に戻そうではないか。 その為には天界位だけでは手が足りぬ。 地界のモノの手も借りなければ…… 。   世の中は卑しい心で満ち溢れている。 世の中は貧しい心で満ち溢れている。 元凶の奴等の心が腐ってしまっては、我等の財産の質も下がる一方だ。 美しいモノを堕落させなければ意味が無い。 いっその事全てを一掃してしまおうではないか。 しかし、そのためには地界だけでは手が足りぬ。 天界の手を借りるしかない…… 。  使者を地界へ!   使者を天界へ! 「あれは何年前だったかな?」 「さて、ほんの僅か前の様な気がしますが……まあ私が堕天した頃よりは後でしたな」 「まだそんな事を言っておるのか。相変わらず皮肉な奴だ」 「まあそんな事は今更どうでも良いのです。 天帝よ、又も消し去らなければならない事態なのですよ。 前回は御慈悲深い天帝様が全てのつがいをお残しになられたのでねぇ」 「皮肉を言うな。あの時はあれが最良の策だったのだ」 「最良ねぇ…… 結果、こんな事になっている訳ですが? 信仰を理由に争い、結果信仰心を蔑ろにし、些細な事で憎しみ合い、妬み嫉み、 騙し合い殺し合い、疑心暗鬼と傲慢が満ちた世界。これが最良だと?」 「私が残したのは最良のモノだけだったのだ。そこから増殖に増殖を重ね、 余計なモノを生み出し、残したつがいの一部も消し去ってしまった…… 」 「選択に間違いがあったのですよ。次は彼等は選択から外した方が良い。 いや、寧ろ最初の状態に戻してしまえば良い 」 「それでは其方等には都合が悪かろう? 」 「なに、再び湧いて出て来る迄の時間など我等にとっては些細な事。 その間には天界のチビ共を堕天させなどして遊んで待ちましょう」 「馬鹿な事を。まあ冗談であろうがな。しかし彼等だけでも膨大だ。 お前の方の力も借りなければ全てを無に還す事は出来ん」 「元々そのおつもりで私に使者をよこしたのでしょう? 勿論私もそのつもりで使者を送った訳ですが。お互いに考えは同じではありませんか」 「しかし……前回の様に残すのはやはり無駄だろうか?」 「無駄ですな」 「……ルシフェル、お前という奴は」
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