復興会議と慰霊の祭

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復興会議と慰霊の祭

   〈ゴンドア〉と呼ばれる大陸があった。  魔物、侵略、災害、兇賊……この大陸に於いて命を脅かすものは、様々な形で襲い来る。  跳梁跋扈する恐怖を克服すべく、かつて繁栄を極め、そして滅んだ、現在は〈前文明〉と呼ばれる往事渺茫の彼方に消えた超科学文明の遺産を頼り、掘り返し、または[魔術]や〈火薬〉と云った代価品を作り上げ、生き延びる人々……  そんな彼等が暮らす大陸のほぼ中央、治乱興亡の激しい〈中原国家群〉と呼ばれる土地の、北方地域……  北の軍事大国〈グランバキナ〉との間に聳え横たわり、数ある西方列強の一国〈クメーラ王国〉に接する〈ウル山脈〉……  その麓にある、中原国家群に於いては数少ない平和な小国〈ウライバ藩王国〉の入り口であり、守りの要所である〈ウーゴ砦〉にて勃発した襲撃事件の鎮圧から、七日が経過した。  歴史書では、後に起きる事件と共に〈ウーゴ攻防戦〉として纏められるこの戦いは、単なる兇賊の襲撃に留まらず、小規模ながら城砦戦が展開された。     
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