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第一章 智子
俺の隣の部屋には女が一人で住んでいる。
半年程前に引っ越して来た。何でこんなボロボロのアパートに?ってぐらい
とんでもなく綺麗な女だった。挨拶に来たけれど、俺は正面から顔がまともに見れなくて、
「ああ、はい・・」くらいの返事しか出来なかったと思う。
女は智子という名前だった。
智子はこのアパートでもうずっと、俺の妄想の相手になっている。
ボロボロのアパートは、隙間だらけで、俺の部屋の押入れから智子の部屋が覗けた。
俺は毎晩智子が帰宅するのを待って押入れで待機していた。
7時半過ぎに智子は部屋に帰る。階段を上る音が聞こえると俺は押入れに入った。
部屋着に着替える智子を息を殺して覗き見た。毎晩、毎晩。
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