視緑王女

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何度も手紙をやり取りしているうち、ルネディアは段々と違和感を感じるようになっていた。それはルネディアの身辺を探るかのような内容になり、その内に彼女の身近にいる者にしか分からない事も手紙に書かれているようになった。ルネディアは怖くなり、誰か身近にいる者が隣国に自分の情報を流しているのだと思った。手紙を送らなくなり、オデアスへの想いも断ち切ろうと考えていた。だが再びオデアスからの手紙が届き、ルネディアはつい手紙を開けてしまった。 「ひっ――!」 そう声を上げて、ルネディアは手紙を落とした。手が震え、立って居られずその場に崩れ落ちた。 (何故? どうして) そこにはルネディアが寝台に潜り込んだ後、誰も部屋に居ない筈の出来事が書かれていた。ルネディアが夜な夜な、自らの身体を慰めている事などが書かれていた。 ルネディアの真っ白になっていた頭が、少しずつ動き始めた。 (刺客? でも第四王女の私を殺した所で得をする者がいないわ。なら、王国をよく思わない者が隣国に私の情報を流しているって事? 何の為に) その時、ルネディアの脳裏に昔オデアスが自らの部屋で見せてくれた出来事が甦った。 「魔法――」 魔法なら、離れた場所から他人の行動を盗み見る事も可能なのでは。ルネディアはそう考えた。その余りの恐ろしさにルネディアは叫び出しそうになった。 だが、これはただの推測で何の確証も無い事。魔法という物がよく分かっていない者にとっては想像するだけで、真実を得る事が出来なかった。父王に申し出ると、王はルネディアの身辺に兵を置いてくれた。オデアスからの手紙が再び来たが、ルネディアには開く事が出来なかった。     
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