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ソラニイノリヲ
この星の末路は何て哀れなのだろう。
空気は汚れ、水は濁り、大地は乾き、生命はその数を減らし続けている。
美しく命溢れる星だったというのに。
ある生物がこの星の生態系の頂点に立った時から、滅びへのカウントダウンは始まって居たのかもしれない。
この星の呼び名に習うのであれば、「ヒト」という生物は何て愚かなのだろう。
牙も爪も持たず、ヒトがここまで数を増やしたのは知能という武器を持っていたからだ。
他の生き物には成し得ない、文明を発展させたその力は諸刃の刃となった。
ヒトが他の生命を顧みず発展させてきた文明は、ヒトに多くの利をもたらした。
しかし、高度に発展した文明は星の多くの命を犠牲に築き上げられてきたのだ。
自分達が生きていく為に、いかに他の生命が大切なのか気がついた時にはもう遅かった。
自らが進めてきた崩壊への歩みは、その早さを緩める事は出来ても止める事は出来なかった。
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