1.あなたと出会ったあの日

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外はまだ雨が降っていた。 日が暮れて、外はもう暗くなっていたけれど、 雨が止む気配はなかった。 いつも日が暮れると帰ることにしている。 僕は図書館の世界からガラスの扉を通って、抜け出した。雨の世界が、また色を変えて僕を迎い入れた。 ここは田舎だ。 だからバス停では待たなければならない。 1時間に1本あるかないか。それが田舎でのバスだ。 バス停には明かりがあった。 昔は淡い色をした、薄い黄色の、それでいて少し暗い、水銀灯だった。そこには人の営みを感じ取れた。 それが今は強い光を放つLEDになっている。 光は真っ白になっていて、バス停の中に暗さはどこにもなかった。そこには人の営みは感じられず、文明の力強さがあった。 そこで僕は1人で雨のオペラを見ていた。
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