雨宿りのバス停

1.あなたと出会ったあの日

あなたは今何をしているんだろう。
あなたは今どこにいるのだろう。
僕をあなたの今を知りたい。あなたの気持ちを知りたい。
そして、あなたに会いたい。

大海原に浮かぶ僕はあなたを想う事しかできない。
もしあの時に戻れるならば、今すぐ戻りたい。
あなたに僕という存在を覚えて欲しい。
あなたの心を僕の海で満たしたい。

僕は、あなたに救難信号を受け取ってほしい。
そしてあなたに助けられたい。

もしあなたが僕の海で溺れているなら、何を捨てても助けに行こう。あなたと同じ海で一緒に岸につこう。そしてあなたとこの星空を見よう。

僕は目を瞑る。
恋という檻にとらわれ、あなたという海に漂う。
そしてあの日がまたまぶたの裏で繰り広げられる。

あなたに会いたい。
夏の風が夜空に僕の願いを届けてくれたかのように、優しく吹いた。

あなたの海で心地よく溺れる僕は、そのまま深い眠りについた。恋の檻に囚われて。夏の風に吹かれて。