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今夜、流星が降るようだ。
夜空を見上げるが、星は顔を出していない。
ただ、濁った炭がべったりと張り付いているだけだ。
どうでもいい。
願いなど、叶うわけがない。
乾いたヒールの音が、マンションの9階に響く。
鍵を差し込みドアを開けると、隙間に挟まっていた白いものがスッと足元に落ちる。
封筒だ。
上等な紙を使った封筒は、まるで結婚式の招待状のようだ。
他人の幸せなど、喜ぶ必要があるのだろうか。
しかし、なぜロビーの郵便受けに入っていなかったのだろう。
ベッドに倒れこみ、手触りの良い封筒を開けて、手紙を読む。
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