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どうして君は、誰かを求めるのですか?
あるだけで、完璧な君なのに。
寂しいのですか?
苦しいのですか?
切ないのですか?
独りじゃダメなのですか?
美しいだけの君でいいのに。
私は、君の全てを見てきました。
君の顔も、身体も、手も足も、髪も爪も。
髪の渦が二つある事も。
瞳の中の瞳孔を囲むスジの数も。
左上の奥歯に、いつも食べ物が挟まる事も。
ポテトチップスの袋を舐め回す事も。
右肩の後ろに一本だけ生えた長い毛が、いつ抜けて、生え変わるのかも。
冬場は、脇毛を処理しない事も。
何度も性病を患った事も。
自分の足の爪を、嗅いだり、食べたりする事も。
しかし、もう見ていられません。
このストーリーは、私が作りますよ。
君が、この手紙を読み終えた後、
君を食べますね。
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