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「アリシア・・・・・・初めて君に出会った時、僕は枯れかけていて、もう駄目だと思っていた。けれど君は水魔法を使って僕を助けてくれたし、重かったろうに、この泉のほとりにまで引きずってきてくれた」
「あれは・・・・・・たまたまよ」
「ふふ。そうかも知れないね。でも僕は嬉しかった。なんて優しい娘だろうと思った。最初はその程度だったのに、会う度に想いは育っていって、今ではどんな木よりも大きくなっているんだ」
「!」
エディは捧げ持つようにしてアリシアの手を両手で持ち上げ、その荒れた指先にキスをした。
「僕にとって君は、太陽で雨で肥料なんだ。君が笑っていてくれたら嬉しいーーそれだけが望みだった」
そこでエディは困ったような嬉しいような、複雑な表情になる。
「・・・・・・僕のことで君がそんなに心配するとは思わなかったんだ。ごめんね」
「・・・・・・ばか」
アリシアはなんて言ったらいいのかわからなくなり、真っ赤な顔でそれだけを口にした。
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