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「簡単なやつ……。うーん。取り敢えずなるべく新規のお客様に入って数をこなすしかないわけだけど、伏見さん、細々とした所雑に見えないように練習したり、工夫したりした方がいいよ」
「えー。それもなんか分かりにくいです」
伏見は少しふくれっ面になった。梨花子は自分の新人時代のことを思い出した。とにかく必死だった。売りたかった。本当に売りたかったものは何をすれば売れるのかが分からなかったけれど、ウルトラメガネに来店するお客様が何を求めているのかは、鋭く勘が働いたのだ。
伏見がメモを取っていると、入り口の自動ドアが開いたので、梨花子と伏見は立ち上がった。
「いらっしゃいませ」
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