君にもう一度あの歌を

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「鬼頭さんの働いてる眼鏡やさんってここだったんだね。よかった。やっと見つけたよ」 お辞儀をした顔をあげた梨花子は大須案内人の法被姿ではない、着慣れたスーツ姿の大久保の顔を見て、自分の考えの緩さを呪った。大久保直生が面白そうなことをほうっておくはずがないのだ、例え相手がどんなに迷惑だとしても。 大久保の言葉に一番興味を示したのは伏見だった。 「えー! 店長のお友だちなんですか? いらっしゃいませ。今日はどう言ったご用件で?」 「あ、いいのよ伏見さん。大久保くんは視力悪くないし、サングラスも興味ないと思うから……。お客様ではないの。大久保くん、ごめんなさいね。営業中だから私たち、と、て、も、忙しいから、ね?」 「あ、大丈夫。俺今昼休みでさ、メガネ欲しいんだ、度の入ってないやつ? 伊達メガネだっけ? 前から欲しかったんだよね。だから、鬼頭さんに選んで貰おうと思って」 断る理由をコンプリートに塗りつぶされてしまい、迷惑。という想いを噛み殺した。
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