24人が本棚に入れています
本棚に追加
大須の有名人。そのフレーズに梨花子の胸は鋭く傷んだ。大久保の祖父が来たらとんでもない事になるだろう。息苦しくなってきたがどうにか口を動かした。
「大久保くん、ごめん。休憩もう終わるから戻らないと」
「そっか。どこで働いてるの」
「眼鏡屋さん。本当にごめん。さよなら!」
梨花子は話を畳みかけると、足早に大須オーガニックドールズのファンの熱気に溢れた、ふれあい広場から離れた。
そして、食べていない昼食のことも、残っていた休憩時間のことも忘れて、仕事に戻った。
.
最初のコメントを投稿しよう!