第五話ー休日ー

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村長宅で、《体術》スキルと″何か″を習得した二人は、ショボン宅へと帰宅した。 その日の夜ーー (; A )(くっ…そ…!) (;゚A゚)(眠れねぇ!?) ドクオはまたもや眠れぬ夜を過ごしていた。 (;'A`)(また!?またなの!?今日も眠れないんだけど!?) 因みに、隣のベッドのブーンはイビキをかいて熟睡していた。 ( -ω-)「ブファー…グゴゴゴゴ…ブファー…グゴゴゴゴ…」 ドクオのベッドは窓際で、寝苦しくないように窓を開けている。 カーテンは閉めているが、それでも隙間から明るい月の光が射し込んでいた。 (;'A`)(クッソ…今日は満月も出てて明るいせいで尚更寝れねぇ……てかーー) ドクオは意識を集中する。 眠るためでは無い。 ドクオの習得スキルの一つ、《索敵》スキルを発動させた。 索敵スキルは、常時でも周辺の《(エネミー)》の存在を感知できるが、意識を集中することで、範囲の拡大や周囲の敵のレベルを識別できたりすることができる。 ただし、敵の名前や種族、その他詳しい情報は実際に対峙しなければ識別出来ず、意識を集中する事による索敵では、敵の強さのみの識別となる。 スキルレベルが上がる程、より細かな情報を得る事が出来る。 ドクオのレベルでは、せいぜい、範囲の拡大やレベルの識別のみ。 ドクオが集中したのは、範囲の拡大だ。 範囲の拡大によって、現レベルでは周囲十メートルの敵を認知できる。 索敵と言うが、敵対存在だけでなく、生物ならば敵味方区別無く探知できる。 そして、ドクオが探知したのは、同じ部屋にいるブーン。 下の階で待ち伏せていると思われるショボンの気配だった。 ('A`)(あいつも懲りねぇなぁ…) などと呆れながら窓の外に目をやる。 ('A`)(……) 真円の月が淡く輝き、夜の闇を照らし出す。 柔らかな涼しい風が吹き、煽られた草木が心地良い音を奏でる。 ドクオはおもむろにベッドから出ると、寝間着から装備へと着替えた。 夕方に工房へ装備を取りに行ったが思ったよりも作成に熱が入ってしまい、新装備は翌日渡すとの事だった。 代わりにと武器を預けている間の護身用にとシャキンから渡されたスティールソードを装備する。 そして、適当な紙にペンを走らせ、ブーンの枕元に置く。 ブーンは相変わらず熟睡している。 ドクオは窓の方に歩いて行くと、枠に手を掛けた。 そのまま身を乗り出して足を窓の縁に置き、月夜の村へと繰り出した。
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