第五話ー休日ー

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少女を見送ったドクオは暫し、その場に佇んでいた。 少女が進んで行ったのは、村と、ドクオ達が踏破したダンジョンがある岩山の間に広がる草原、その奥にある森林の中だった。 森林は、村の裏手まで広がっており、かなり広大な土地である事が見受けられた。 ('A`)「思わず見送っちゃったが大丈夫かな……」 ドクオの脳内に、追い掛ける、という選択肢が生まれる。 それと同時に昨日のショボンの言葉が過る。 (´・ω・`)『全く、誰にも連絡しないで出て行くなんて、ブーンが心配するだろ』 ('A`)(戻ってショボンと一緒に…それが最上なんだろうけど……あいつが動くかどうか…それに、無駄足になる可能性もある。う~む…) 様々な憶測が飛び交う脳内を整理し、出した結論はーー ('A`)(今深追いするのはやめておこう。ショボン達に迷惑や心配もかけるし…勝手知らぬ森の中じゃ遭難の可能性もある。此処は彼女を信じよう) ドクオは自分に言い聞かせるように納得し、少女を追い掛けたいという衝動を抑えた。 ('A`)(モヤモヤするが仕方ない。ここはーー) ドクオは背中の長剣を抜き放った。 ('A`)(戦闘で憂さでも晴らそう) そして、少し離れた所にいたモンスターへと斬り掛かった。 森の奥ーーそこに一つの影があった。 闇夜に紛れる濃紺のフーデッドケープを身に付けた小柄な人影ーー紛れも無いドクオと出会った少女だった。 少女はふと立ち止まると、少し大きめの木の根元へと座り込んだ。 「ただいま。え?ああ、その事ね。親切な剣士さんがくれたんだ。自分は使わないからって」 突然、少女は虚空へと話しかけ始めた。 「大丈夫だよ。悪い感じはしなかったし、寧ろこっちを心配してくれたんだよ。て言うか、私と歳近そうだったし、それで人を騙すような人だったら、どれだけ波乱の人生歩んでるんだ、って話だよ。って、私は言えないか、アハハ」 少女は自虐的に笑った。 「それに、あの人には仲間もいるみたいだし、私を騙すような歪んだ人じゃないよ。絶対に。え?あはは、そうだね。私にはあなたが居るね。ありがと」 おもむろに少女は腰の短剣を手に取り、上に掲げて眺めた。 「……綺麗……」 暫しの間、短剣に釘付けになった少女。 「……また、逢えるかな?逢えたら、良いなぁ…」 我に返った少女が無意識に小さく呟いた言葉は、森の音に掻き消された。
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