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リビングの扉が開け放たれ、大きく膨らんだ麻袋を持ったカーチャンが姿を現した。
J('ー`)し「おっ、食べ終わってるね。丁度良い、カーチャンからあんた達に餞別だよ」
そう言うとカーチャンは持っている麻袋を床に置いた。
( ^ω^)「うはwwwカーチャンサンクスwww何が出るかなwww何が出るかなwww」
俺は軽くうがいをすると、ブーンと共にカーチャンの元へと近付いた。
カーチャンは麻袋をゴソゴソと漁り、何かを取り出した。
J('ー`)し「ほい、先ずはお金ね。5000G入ってるから、計画的に使うんだよ」
そう言い、カーチャンはパンパンに膨らみ中身が溢れそうな袋を俺とブーンにそれぞれ渡して来た。
(;'A`)「5000G!?しかも俺ら二人分!?10000G!?」
5000Gもあれば、高級な家具類やブランド物の衣服を揃えることが出来、10000Gもあればそこそこ立派な家が建つレベルの大金だった。
それを小遣い感覚で渡して来るカーチャンに俺は驚きを隠せなかった。
( ^ω^)「うっはwwwギッチギチwwwヤバスwwwカーチャンパねーおwww」
ブーンもいつも通りのように見えるが結構驚いているようだ。
J('ー`)し「このお金はあの人が出て行く時に置いて行ったお金よ。将来、あんた達が冒険者として旅立つ時に先立つ物として必要になるだろうってね」
(;'A`)( ^ω^)「「!!」」
"あの人"と言うのは、カーチャンの伴侶にして俺の実の父親であり、ブーンにとって育ての父親である人だ。
俺たちの親父ーカーチャンもだがーは冒険者で、カーチャンは俺を身籠ってからは引退してるが、親父は家族三人を養う為に冒険者として働き続けた。
俺とブーンは帰って来た親父の冒険譚を聞かされ、冒険者となる事を決意した。まぁ、俺には他にも理由があるんだが、それは追々。
そんなこんなで俺とブーンは親父の背中を追って冒険者になることを目指した。
しかし、俺たちが五歳になった頃ーー
('A`)「そうか…」
( ^ω^)「そうかお…」
俺とブーンは神妙な面持ちでカーチャンが差し出して来た袋を受け取った。
袋は当然の如く、ずっしりと両手に重みを伝えて来た。
だが、不快な感覚は無く、逆に頼もしいように思えた。
J('ー`)し「さて!なんかしんみりしちゃったけど、次の餞別だよ!」
(;'A`)「まだ出るの!?」
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