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"はじめまして"……と清宮の口が動いた
自然光の入るやけに明るい部屋に入っていく背中を見ていると頬を抓りたくなった
暗い廊下の先から笑いながら近づいてくる姿を見つけた時には息が止まりそうになった…………いや……止まっていた
目の前で話している
こっちを見ている
笑っている……
心臓が跳ね上がり挨拶もまともに出来たかどうか分からない
清宮にしたら初対面なのかもしれないが神崎にとっては違う…………ずっとずっと見てきた相手だった
それこそ子供の頃から………ずっと
学生時代からバイトで潜り込み、就職はすんなり出来た前の職場で「辞めたい……」と上司に切り出した時理由を聞かれたが、何も答える事が出来なかった。
別に不満があったわけじゃない
大きい仕事も任され周りからも信頼されていたと思う(多分…)
きっと迷惑をかけたり誰かの負担を増やすかもしれないが気にかける余裕はなかった
……自分の中で迷いも躊躇も選択肢もなかった
焦れるほど早く行動したくてなり振り構わずスタジオで見つけた背中を追ってここまで来てしまった
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