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私と梓は幼馴染みだった。私はいつも梓の後ろを金魚の糞みたいに付いて行く奴で、よくお母さんにからかわれた。
高校受験の時もそれは変わらなくて、梓と同じ高校へ行きたいがために必死で勉強した。その結果、私は見事その地域で1番偏差値の高い高校へ梓と一緒に進学した。
「寧々。行くよ。」
彼女はいつもそう言って私を引っ張ってくれる、そんな梓に私は儚い恋をしていた。
梓の家は両親共働きで、平日も、祝日も殆ど家には誰も居らず、料理ができない彼女の為に、私はいつも作りに行っていた。その日常の中で梓が放った一言が、私たちを狂わせた。
「見てこれ」
彼女が1冊の漫画を持って来て、私に見せた。そこには女性同士が淫に求め合う描写があった。私は真っ赤になって彼女に言った。
「…っ!もう!何見せるの!」
梓は私の反応を見てゲラゲラと笑って、その後に
「ねぇ、コレって気持ちいいらしいよ」
そう言って私の顔を覗き込んできた。
「何言って…「寧々。してみようよ。」
私の声に被せてきた梓の声は有無を言わせないと言った感じで、彼女を愛していた私には拒絶する事ができなかった。彼女が与える快楽は、私が心から求めていたもので。嬉しくて。気持ちが良くて。とても虚しく、悲しかった。
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