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小学校にあがる時、孤児院あてにランドセルを贈ってくれたひと。
小学校にあがる子全員が貰ったけれど、ランドセルに刺繍された名前は、私のだけお花の刺繍がそえられていました。
それをやっかんだ子がお花をマーカーでぬりつぶしてしまったけれど、黒くなってしまってもそのお花は私に勇気と希望をくれました。
思いかえせば、もしかしてあの時も、ということがたくさんありました。
生き甲斐をもらっていたのは私も同じだったことに気がつき、私は深く涙していました。
そして私は、これからも私を見ていてくれますか、と言いました。
私は、世界のどこかにいる、足長おじさんのお嫁さんになることが夢でした。
その夢は叶いますか、と。
YUKIさんは私の手を握って、ただ真っすぐ私の目をみつめてくれました。
答えはきけませんでしたが、まだ子供である私に、将来を決めることはさせたくなかったのだと思います。
私は、複雑な気持ちでYUKIさんを見つめました。
自分の心の内を吐露しておいてずるい人だな、と思ったのです。
私の将来はもう決まっているのに。
私は、年齢こそ子供だけれど、そういうことはちゃんと解るのよ。
YUKIさん、あなたが私を一人の女性として見始めた時から、私もあなたをそういうふうに見ていたのよ。
あなたの複雑な性質を知った今、どう対すれば解らないところもあるけれど、私は、人間としてあなたに惹かれているの。
だから、問題はいつか解決できると信じてる。
決して簡単な道のりではないでしょう。
だけれど、私は、あなたとなら、悩み、励ましあい、生きていけると信じられるの。
だからこれからもよろしくお願いします。
私がおばあちゃんになっても元気でいてね。
いつも一緒に手をつないで笑いあって生きていこうね。
私は、あなたでなければだめなの。
それは、あなたも一緒だと思うから私も自信を持って言うのよ。
大好きです、YUKIさん。
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