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「久しぶりだし、どっかでちょっと話さない?」
「うん!私も圭人と話したい。」
七夕だし、夜空もすごく綺麗だから、
公園で話すことにした。
圭人が目の前にいて、話してる…。
こんなチャンス二度とないのに、
ずっと伝えたかった言葉がでてこない。
10代の私をあんなに憎んでたのに、
いざ、目の前にすると意気地なしの私に戻っちゃう…。
でも、絶対今言わなきゃ後悔する!
「ね、ねぇ圭人!あっあのさ、、、。」
”好き”のたった一言なのに、どうして伝えるのはこんなに勇気がいるんだろう…。
「ずっと、ずっと、圭人のことが…私の初恋は圭人だったの!」
緊張しすぎて、声は裏返ったし、言葉も変になってしまったけど、でも、想いは伝えられた。
「えっまじで?実は俺も奈々の事…好きだった。っていうか今でも好きだ。」
「そうだったんだ…。って、え、私!?私も今でも圭人の事す、、」
ギュっ。
"好き"って最後まで言えなかった、
……圭人が、私を抱きしめたせいで。
10代のころ言えなかった"好き"のたった2文字。
その2文字は、大好きで、ずっとずっと恋い焦がれていた人に抱きしめられた胸の中に、吸い込まれていった…。
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