見えない鎖

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誰もが片手にスマホを持って生活している。 その昔インターネットがこれだけ普及する前は、NTTが提供していた『テレホーダイ』と言われるものがあった。確か、夜10時から翌朝6時まで電話回線繋ぎ放題と言われるものだ。そんな話はどうだって良いか。要は、それだけインターネットは普及して、俺たちの生活に密接に繋がっているということだ。 朝目を覚ませば、陽の光を浴びる前にスマホの液晶画面を覗き、時間を確認しては二度寝出来ないかスヌーズ機能を使う。 Yahoo!ニュースを見て、見えない彼ら、彼女たちの意見を盗み見る。誰もが当たり前のように、事件の内容を見て、犯人を批判し、被害者を哀れむ。当たり前のように。もう一度言おう。当たり前のように、だ。だが、世の中の誰かが、我慢の出来ない、タチの悪い早漏な奴らが人を騙し、欺き、身勝手な理由で人を殺している。そんな男や女が興奮して股間を熱くして何食わぬ顔で生活している。 誰もが、そういった狂った性質をもっていて、何かのきっかけで狂気の華が開花することを知ってはいるだろうが、知らないふりをしている。 俺もあいつも根本は同じだ。違いは境遇と脳味噌の細胞が少しイかれてるぐらいだろ。
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