『白い粉』

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   「ちょっと大きめのヤツに 茶色っぽいのが付いてる気がする」  「どれ……ああ本当だ」  でも これだけでは物質の特定には至らない  手持ち無沙汰に ぐりぐりと金属の薬匙で弄ると  大きめの粒子は他愛も無く砕けた  「俺も 少し調べてみるよ これ少し借りてていいか」と   ヤツはビニール袋を持ち上げる  「毎日付いてくるから そんなの 別に持って行ってよ」  「ありがとう」  文化祭も近づいて 忙しい日々だった  劇の練習場所へ急いでいたところを 手招きされた  「あの粉の正体が分かったかもしれない」  あとで電話する  そう言って その場は別れた
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