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──ヤツに 次に会ったのは通夜の席だった
突然のことだった
目撃者の話によると
道端を歩いていたヤツは何か 不意に落とし物をしたらしい
歩道も無い道だった 車道側に身を屈めて 何かを拾うように見えたそうだ
そのまま……
僕には何かが引っかかっていた
そんなに仲が良かったわけじゃない
でも
もしかしたら
拾おうとしたのは 件の粉が入ったビニール袋だったのでは無いだろうか
かすかな良心の呵責を覚え
翌日の告別式にも出席した
周囲の人々は 非常に仲の良かった親友だと勘違いし
席が空いているからとバスに乗せられて
出棺にさえ同行した
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