『白い影』

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 文化祭で居残っているのは 多分私たちで最後だと思うが  職員室にはまだ先生方も残っているはずだ  担任は私たちが教室に居ることを知っているはずなのだから  懐中電灯でも持って 迎えに来てくれてもいいのに  本当に暗いと 何一つ見えないものなのだ  自分の手さえ見えない暗闇に  次第に心細くなってくる  「ちょっと……まだ直らないのかな」  暗闇に向かって呟くが 返事が無い  「ねえ 怖いから黙らないでよ」  ふと気が付いたのだが 教室の脇にあるはずの非常灯の赤い光さえ見えない  停電で消えるなんて 非常灯の意味が無い    ゴロゴロと腹の底に響くような雷の音  何の前触れも無く  一瞬 鋭い光が窓の外から教室を照らした    確かに  ……そこに  
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